『〈鏡〉としてのパレスチナ』刊行記念シンポジウムーーイスラエルへの対抗言説から〈別の現実〉へ

ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉編 『〈鏡〉としてのパレスチナーーナクバから同時代を問う』   現代企画室、2010年5月刊行、2400円+税  ミーダーンが一年間かけて開催した連続セミナー「〈ナクバ60年〉を問う」が、編集・加筆を経て一冊となり刊行されました。たんにパレスチナ/イスラエルを多面的に論ずるだけ…

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メロン・ベンヴェニスティ氏、インタヴュー記事ーー『世界』7月号

メロン・ベンヴェニスティ氏「聖地エルサレムの一部として。」、インタヴューアー=小田切拓、翻訳協力=岡田泰平、『世界』(岩波書店)、2010年7月号  3月に東京大学UTCPの招きで来日した、イスラエルの政治学者メロン・ベンヴェニスティ氏のインタヴュー記事が『世界』7月号に発表されました。  インタヴューアーはジャーナリス…

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移動と越境から、国籍や民族や公共圏を問い直す、『国民国家の境界』(日本経済評論社)

加藤哲郎他編、『国民国家の境界ーー政治を問い直す1』(日本経済評論社、2010)  第3章を書かれた鳥山淳さんからご献本をいただきました。ありがとうございます。  同章は、戦中から戦後にかけての時代、すなわち、植民地とされた朝鮮・台湾が日本から切り離される一方で、沖縄が米軍統治下へと入れられることによって、「国民」の境界…

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沖縄発の雑誌から生まれたアイヌ・部落・反差別の本、竹内渉『北の風 南の風』

竹内渉『北の風 南の風ーー部落、アイヌ、沖縄。そして反差別』、解放出版社、2009年  ここでも何度か紹介してきた沖縄からの雑誌『けーし風』連載の記事を中心にまとめた一冊。約15年間も書き継がれた文章を中心に、テーマ別に再配列。『けーし風』には、日本の、世界の、さまざまな地域の運動を紹介する「北の風 南の風」という欄があり…

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鳩山首相が退陣表明をして、沖縄の米軍基地問題は? 田仲康博『風景の裂け目ーー沖縄、占領の今』

田仲康博『風景の裂け目ーー沖縄、占領の今』、せりか書房、2010年  昨日、鳩山首相が退陣表明。支持率低下の原因の一つには、明らかに、沖縄の米軍基地移転問題への対応のまずさがあっただろう。迷走した挙げ句に自民党政権時代の案とほぼ変わらない案に落ち着いたことが、激しい失望と怒りを引き起こした。  人によっては、しかし、その…

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封鎖下のパレスチナ・ガザ地区へ物資を運ぶ支援船がイスラエル軍に襲撃、10人以上が死亡!

サラ・ロイ『ホロコーストからガザへ――パレスチナの政治経済学』(岡真理・小田切拓・早尾貴紀=編訳、青土社、2009年)  今日のニュース速報で、封鎖下にあるパレスチナ・ガザ地区に医療品や食糧や建築資材を積んだ支援船団が、イスラエル軍によって急襲され、少なくとも10人が死亡、数十人が負傷したとのこと。海外NGO・人権活動家が…

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裁判員、冤罪、死刑急増でどうする? 伊藤和子・寺中誠『裁判員と死刑制度』(新泉社)

伊藤和子・寺中誠『裁判員と死刑制度――日本の刑事司法を考える』(新泉社、2010年)  オビより つぎつぎと下される死刑判決、明らかになる冤罪事件、 その中での裁判員制度の施行……。 いま、この国の刑事司法は、どこへ向かおうとしているのか。 冤罪事件に精力的に取り組む弁護士、伊藤和子氏と アムネスティ・インターナ…

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フレドリクソン『人種主義の歴史』(李孝徳訳、みすず書房)と、その書評

ジョージ・M・フレドリクソン『人種主義の歴史』(李孝徳訳、みすず書房、2009年)  ヨーロッパのユダヤ教徒の人種化、植民地主義とともに生じた「黒人奴隷」、そしてナチスのホロコーストと、南アのアパルトヘイト。これらをレイシズムのイデオロギーとして、体系的に説明した好著。おそらく、文庫クセジュの『人種差別』(フランソワ・ド・…

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徐京植『植民地主義の暴力ーー「ことばの檻」から』(高文研)とトークセッション

徐京植『植民地主義の暴力ーー「ことばの檻」から』高文研、2010年  徐京植さんの最新論文集。  目次詳細は、高文研のサイトに。  冒頭に、日本の植民地主義を直接的に論じた二本。とくに、「和解という名の暴力──朴裕河『和解のために』批判」は、僕も関わってきた和解論批判のなかで、現時点での集大成的な論考。僕にとっては…

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ミーダーン編『〈鏡〉としてのパレスチナ――ナクバから同時代を問う』刊行!

ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉編 『〈鏡〉としてのパレスチナ――ナクバから同時代を問う』   現代企画室、2010年5月刊行  ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉が一年間継続させていた連続セミナー「〈ナクバ60年〉を問う」が、一冊の本のかたちで編集・刊行されました。  ミーダーン編になる本は、…

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ボヤーリン兄弟に続いて、シオニズムに抵抗するユダヤ教解釈、ラブキン『トーラーの名において』

ヤコヴ・ラブキン『トーラーの名において――シオニズムに対するユダヤ人の抵抗の歴史』、菅野賢治訳、平凡社、2010年  以前からここで紹介してきた、ボヤーリン兄弟による『ディアスポラの力』(赤尾・早尾訳、平凡社、2008年)も、ユダヤ教に内在するユダヤ人国家否定の思想を、ディアスポラ主義へと昇華させたものであったが、同じ平凡…

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ロシアでの多発「自爆テロ」に関連して、何冊かのチェチェン関連本

◆大富亮『チェチェン紛争』(ユーラシア・ブックレットno.94)、東洋書林、2006年 ◆ムサー・アフマードフ著『チェチェン民族学序説――その倫理、規範、文化、宗教 = ウェズデンゲル』年、翻訳:今西昌幸、寄稿:林克明、編集:大富亮、高文研、2009 ◆アンナ・ポリトコフスカヤ、『チェチェン やめられない戦争』、三浦みどり訳、NHK…

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井筒俊彦の著作集未収録のエッセイ集『読むと書く』

井筒俊彦『読むと書く――井筒俊彦エッセイ集』(慶応義塾大学出版会、2009年)  井筒俊彦氏は、本当に知の巨人だと思う。まさに古今東西の哲学・宗教・言語学を熟知した井筒氏の仕事を、○○研究者というかたちでカテゴライズすることは不可能だ。しかも、西洋思想も東洋思想も、いや、「西洋/東洋」の区分そのものを根底から問い直すような…

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雑誌3冊紹介、『オルタ』、『インパクション』、『コンフリクトの人文学』

『オルタ』2010年1-2月号 特集「社会的企業」 『インパクション』173号 特集「大学はだれのものか?」 『コンフリクトの人文学』第2号(大阪大学COE)  ここ最近出た雑誌三冊を紹介。  毎度紹介してます『オルタ』(アジア太平洋資料センター)は、特集が「社会的企業――地域・仕事・連帯社会をつくる」。最近ちょ…

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アイヌに関する二冊の重要書、佐々木昌雄『幻視する〈アイヌ〉』と榎森進『アイヌ民族の歴史』

佐々木昌雄『幻視する〈アイヌ〉』、草風館、2008年 榎森進『アイヌ民族の歴史』、草風館、2008年  草風館から近年刊行された、アイヌに関する二冊の重要書。  まずは、60年代から70年代にかけての短い期間にアイヌとして鋭い詩作と批評を展開し、どこかへ失踪した佐々木昌雄の全発言を集成した『幻視るする〈アイヌ〉』。とり…

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「妊娠」そのものが直接的に個々人に迫る生命倫理的な問いかけ――『妊娠』(洛北出版)

柘植あづみ、菅野摂子、石黒眞里『妊娠――あなたの妊娠と出生前検査の経験をおしえてください』洛北出版、2009年  前回記事が妊娠関係だったこともあり、今度はまさに『妊娠』。これはいろいろな意味で破格の本です。  出版社は、洛北出版。これまでアルフォンソ・リンギスの翻訳や、梅木達郎『支配なき公共性』、廣瀬純『シネキャピタル…

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「爆笑問題」の田中裕二氏の前妻の妊娠・出産で、『離婚後300日問題 無戸籍児を救え!』に注目を

毎日新聞社会部、『離婚後300日問題 無戸籍児を救え!』(明石書店、2008年)    芸能ニュースには関心がないのだが、、以下のニュースが目に留まった。 爆問・田中、元妻が出産間近…法律上実子に  3月18日8時0分配信 スポーツ報知  お笑いコンビ・爆笑問題の田中裕二(45)と昨年10月に離婚した元妻(…

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ユダヤ人、ホロコースト、イスラエル、、、『プリーモ・レーヴィは語る』

マルコ・ベルポリーティ編『プリーモ・レーヴィは語る――言葉・記憶・希望』多木陽介訳、青土社、2002年  最近、サラ・ロイの『ホロコーストからガザへ』の重版が出たので、重版にあたって文章をチェックしながら再読。そこでロイと対談をしている徐さんが論及していた、プリーモ・レーヴィ最後のインタヴューが収録されているのがこれ。 …

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サラ・ロイ『ホロコーストからガザへ』(青土社)、重版!!

サラ・ロイ『ホロコーストからガザへ――パレスチナの政治経済学』(岡真理・小田切拓・早尾貴紀=編訳、青土社、2009年)  昨年末に編訳刊行した、サラ・ロイ『ホロコーストからガザへ』が、刊行から3ヶ月ほどで重版に入りました!  あまり大きな話題になっていないようなので、そんなに売れてないだろうと懸念はしていたのですが、そう…

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ベヴェニスティ氏との対談相手、上村英明氏の重要書、『先住民族の「近代史」』

上村英明『先住民族の「近代史」――植民地主義を超えるために』(平凡社、2001年)  まもなく来日のメロン・ベンヴェニスティ氏。その対談相手である上村英明氏の重要書がこれです。先に『知っていますか? アイヌ民族 一問一答』を紹介しましたが、こちらはアイヌだけに限定されず、世界の近代史における先住民族を扱っています。 …

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