チェチェンの人びとの伝統的倫理を理解するために――『チェチェン民族学序説』

ムサー・アフマードフ著、
『チェチェン民族学序説
 ――その倫理、規範、文化、宗教 = ウェズデンゲル』、
  高文研、2009年
  翻訳:今西昌幸、寄稿:林克明、編集:大富亮


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 大国ロシアに蹂躙されつづけるチェチェン共和国。本書は、そこに生きる人びとに伝わる倫理、しかしこの過酷な軍事侵攻・虐殺とそれに対する抵抗のなかで、荒廃しつつある伝統的倫理、その解説と復興への祈りの書である。イスラーム圏であるチェチェンだが、この倫理=「ウェズデンゲル」は、イスラーム化以前の太古から受け継がれてきたものらしい。
 タイトルの「民族学序説」というのは、少し硬すぎるか。もとは、ある種の「高校の倫理の教科書」のようなものだ。ただし、そう言ってしまうのも誤解を招く。かくあるべしという説教が並んでいるわけではないからだ。
 慣習や文化の解説に加えて、ひじょうに具体的な事例を挙げながら、苦難の歴史や政治と、それに対する反省と展望が、静かに綴られている。

 詳しい目次や内容の解説は、高文研のサイトにあります。出版記念シンポの報告もあります。

 本書の刊行をサポートされた林克明氏と大富亮氏には、共著『チェチェンで何が起こっているのか』(高文研、2004年)という、こちらはチェチェン侵攻に焦点を当てた入門書があります。本書と合わせて読んでほしいと思います。以下にAmazonへのリンクも貼りました。

 それから、大富亮さんは、すばらしいサイト「チェチェン総合情報」を運営し、チェチェン・ニュースを発行されています。その活動には頭が下がります。

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