若い世代が戦争/戦争体験者といかに出会い、向き合い、伝えるかーー『戦争への想像力』

小森陽一(監修)『戦争への想像力ーーいのちを語りつぐ若者たち』、新日本出版社、2008年

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 この夏8月、第二次世界大戦の終戦から63年。直接の戦争体験世代の証言がますます難しい状況になってきています。戦争の記憶は、いかに想起され、引き継がれていくのかというのは切実な課題ではありますが、近い将来確実に、証言者のいない戦争の記憶を語りつがなくてはならない時代が来ます。
 その時代を前に、大切なことは、たんに戦争体験を受け身で聞くことではなく、自分が自らの立場から、なぜどのように「戦争」という出来事に向き合うのかということを、とことん考えることであり、そして頭だけでなく実際に手足を動かすことだと思います。

 下に目次をつけておきますが、なかでも村上麻衣さん示された、「従軍慰安婦」問題へのご自身の関わり方への内省は、ひじょうに感銘を受けました。私自身も似たような体験をしてきたこともありまして。
 仙台の東北大学の学生だったとき、ちょうど宮城県在住の宋神道さんによる裁判が始まり、私もたまたまその支援運動に関わるようになりました。公判の度にマイクロバスのシェアで東京に行き、傍聴支援や裁判所周辺でのデモなど。証言集会や映画の上映会など。大学院生になるまで裁判も続いていましたので、修士論文までそのテーマになってしまいました(「「従軍慰安婦」問題における暴力のエコノミー」、『現代思想』1999年6月号所収)。

 その他その他、各論者がそれぞれのフィールドで、「たまたまの出会い」を、誠実に自分の思想と活動へと結実させていっている若い人たち(私と同世代の30代半ばかそれ以下)が、自分の言葉で想いを語っています。

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以下、目次より

第1部 戦争体験を語りつぐということ

村上 麻衣(日本軍性奴隷問題の解決を求める全国同時企画・京都実行委)
 正義と尊厳の回復を求めてーー「従軍慰安婦」
荒川 美智代(南京への道・史実を守る会/撫順の奇跡を受け継ぐ会)
 被害と加害から戦争を考えるーー南京事件
殿平 真(東アジア共同ワークショップ)
 東アジアの出会いと友情ーー強制連行・強制労働
西村 美幸(日本平和委員会)
 戦争できる人間づくりーー靖国神社
山本 唯人(東京大空襲・戦災資料センター 研究員)
 街のざわめきに記憶を込めるーー東京大空襲
北上田 源(沖縄・虹の会)
 次のスタートラインを目指してーー沖縄戦
布施 祐仁(ヒロシマ・ナガサキを受け継ぐ会/日本平和委員会)
 ヒロシマ・ナガサキと人間ーー原爆
角南 圭祐さん(ソウル在住フリージャーナリスト)
 朝鮮戦争と現代日韓関係ーー朝鮮戦争
相澤 恭行さん(NGO「PEACE ON」代表)
 現代の戦争の体験者としてーーイラク戦争

第2部 ≪座談会≫なぜ今、私たちなのか

 「証言」=傷口をひらくこと?
 問われる聴き手の想像力
 「物」をめぐる証言と記憶の蘇り
 なぜ今、私たちなのか
 「体験」を「経験」にかえる
 裁判で「今」の問題に
 これを出発点に

伝え、伝え合う声の響鳴 小森陽一



戦争への想像力―いのちを語りつぐ若者たち
新日本出版社
相澤 恭行

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