|
サラ・ロイ『ホロコーストからガザへ――パレスチナの政治経済学』 (岡真理、小田切拓、早尾貴紀=編訳、青土社、2009年、2600円) 今年3月に招聘したサラ・ロイさんの来日講演・対談・インタヴューをもとに編集しました。 昨年11月に招聘を決めた直後、12月末から今年1月にかけてイスラエルがガザ地区を猛烈に攻撃、世界中が震撼しました。そのためロイさんの来日講演はたいへん注目を集めましたが、その全貌が活字で熟読できます。 また、僕が序章を書き、ガザ地区やロイさんの仕事の紹介をし、ジャーナリストの小田切さんがインタヴューをもとに、開発援助の問題を深めて分析しています。 これまで本サイトでも、ロイさんの二冊の主著にも触れつつ彼女の仕事を紹介してきましたが(The Gaza StripとFailing Peace)、いずれも大部の英語。著書ではこれが初めての日本語になります。しかもコンパクトに、ロイさんの仕事のエッセンスが、初紹介となる最新の論考も含めて読めるのでお買い得です。 もうすぐ昨年末のガザ攻撃から一年を迎えますが、現地ではまだまだ不穏な空気が漂っており、何が起こってもおかしくない情勢です。危機はつねに存在しており、何かあってから慌てて注目するのではなく、つねに思考を深めて備えていなくてはなりません。 また、ホロコースト以降の世界に「倫理」はいかに語りうるのか、在日朝鮮人の作家、徐京植さんとの対談も、東アジアに生きる私たちに深く問いかけてきます。 ひとつの社会全体が崩壊しようとしている |
| << 前記事(2009/10/31) | トップへ | 後記事(2009/11/30)>> |