テーマ:ジェンダー

「妊娠」そのものが直接的に個々人に迫る生命倫理的な問いかけ――『妊娠』(洛北出版)

柘植あづみ、菅野摂子、石黒眞里『妊娠――あなたの妊娠と出生前検査の経験をおしえてください』洛北出版、2009年  前回記事が妊娠関係だったこともあり、今度はまさに『妊娠』。これはいろいろな意味で破格の本です。  出版社は、洛北出版。これまでアルフォンソ・リンギスの翻訳や、梅木達郎『支配なき公共性』、廣瀬純『シネキャピタル…
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パレスチナ/アラブという現場から、文学の(無)力について――岡真理『アラブ、祈りとしての文学』

岡真理『アラブ、祈りとしての文学』、みすず書房、2008年  サラ・ロイ『ホロコーストからガザへ』(青土社)の共編訳者でもある、岡真理さんのアラブ文学論です。とりわけ、パレスチナおよびジェンダーに軸足を強く置いています。各章ごとの主題も明確で、かつ、とても読みやすい文体ですので、一気に読めます。そもそもが書き下ろしの一冊と…
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【ジェンダー/セクシャリティとディアスポラを考える11冊】――ブックリスト・4/7

【ジェンダー/セクシャリティとディアスポラを考える11冊】/「ディアスポラ」から世界を読み直すためのブックリスト・増補改訂の77冊  ディアスポラから世界をよ見なすためのブックリスト77(11冊×7項目)の第4回は、【ジェンダー/セクシャリティとディアスポラを考える11冊】。もちろんこれも便宜的な区分でしかなくて、一冊…
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村山敏勝さんの最後の仕事――『現代思想』臨時増刊「ジュディス・バトラー」

『現代思想』臨時増刊「総特集 ジュディス・バトラー――触発する思想」(青土社、2006年10月)  また村山敏勝さんの追悼記事になります。  『現代思想』のこの総特集号は、彼の最後の活字仕事だったかもしれません。これが刷り上がって執筆者に配達された日に彼は倒れました。現物を手にしたかどうか、おそらく届く前だったかもしれま…
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ささやかな追悼の気持ちを込めて再読――村山敏勝『(見えない)欲望に向けて』(人文書院)

村山敏勝『(見えない)欲望に向けて――クィア批評との対話』(人文書院、2005年)  僕が村山敏勝さんと知り合ったのは、李静和さんの「アジア・政治・アート」のプロジェクトででした。彼は、ある意味「畑違い」のそのプロジェクトを、楽しそうに支えていました。畑違いと言えば、そこに参加していた僕もそうなのですが。  ともあれ、そ…
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臓器移植法案可決に際して、自己決定/代理決定について考える――立岩真也『弱くある自由へ』、他

立岩真也、『弱くある自由へ――自己決定・介護・生死の技術』、青土社、2000年  再度、一昨日の脳死・臓器移植法案の衆院での可決の機会に書いておきたい。  脳死を人の死と事実上認定する案が、多数決で大差で可決されてしまった。これで、生前における本人の意思の確認を必要とせずに、医者が家族の同意を取り付けて、脳死状態とみなさ…
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心底寒気を覚える脳死臓器移植法案可決という事態――森岡正博『生命学に何ができるか』

森岡正博、『生命学に何ができるか――脳死・フェミニズム・優生思想』、勁草書房、2001年  今日、衆議院で臓器移植法「改正」案のうち、A案が可決されました。  僕は最初に書いておけば、脳死を人の死と定義することについても、脳死臓器移植そのものについても、反対です。なので、A~D案のどれがマシということではなく、そのいずれ…
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ジェンダー&エスニシティの複眼的視点から沖縄研究を再定義する、勝方=稲福恵子『おきなわ女性学事始』

勝方=稲福恵子、『おきなわ女性学事始』、新宿書房、2006年  今日の連続ティーチイン沖縄で宮城晴美さん講演をバックアップした早稲田大学 琉球・沖縄研究所の勝方=稲福恵子さんの著書で、沖縄研究をジェンダーとエスニシティの交差点から位置づける試み。  今日の講演も、家父長制が「集団自決」を引き起こした側面に焦点を当てていた…
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6月14日(日)ティーチイン沖縄で、宮城晴美さん講演――『新版 母の遺したもの』

宮城晴美、『新版 母の遺したもの――沖縄・座間味島「集団自決」の新しい事実』、高文研、2008年(初版2000年)  今度の日曜日6月14日に、以下に案内をつけましたように、連続ティーチイン沖縄が開催されます。  座間味島の「集団自決」における日本軍の責任、そしてとりわけ女性を「自決」へと追いやった純潔イデオロギーの問題…
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重要な栗本薫論、石田美紀『密やかな教育――〈やおい・ボーイズラブ〉前史』――栗本薫の訃報に触れて

石田美紀、『密やかな教育――〈やおい・ボーイズラブ〉前史』、洛北出版、2008年  作家・評論家の栗本薫/中島梓が亡くなった。  新聞各紙は、訃報や追悼文を掲載し、一様に、シリーズ100巻を越え未完に終わった『グイン・サーガ』のことばかりに触れている。  けれども、栗本薫/中島梓については、振り返って再評価すべき事柄が…
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イスラエルのガザ侵攻に反対するイスラエル内の反シオニスト・グループ、「民主的行動機構」

刊行委員会編『パレスチナ/イスラエルの女たちは語る――オリーブがつくる平和へのオルタナティブ』、つげ書房新社、2002年  イスラエルのガザ侵攻のさなか、正月早々から、二つの記事を翻訳した。  ヤコブ・ベン・エフラート「ガザを支配するイスラエル」    ヤコブ・ベン・エフラート「ガザ戦争に対するイスラエルの責任」…
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フェミニズムから考える多様なアフリカの歴史――富永・永原編『新しいアフリカ史像を求めて』

富永智津子・永原陽子編、『新しいアフリカ史像を求めて――女性・ジェンダー・フェミニズム』、御茶の水書房、2006年  前回紹介したのはギルロイの『ブラック・アトランティック』であったが、今回はフェミニズムの観点から考えるアフリカ史。  本書は、3年間にわたって行なわれた「アフリカ女性史に関する基礎的研究」の研究会の成果と…
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タイを事例とした移住性労働・人身売買の綿密な研究――青山薫『「セックスワーカー」とは誰か』

青山薫、『「セックスワーカー」とは誰か――移住・性労働・人身取引の構造と経験』、大月書店、2007年  一つ前の記事で梁石日の小説と映画『闇の子供たち』を取り上げた。そこでは、タイを舞台にした、幼児買春や人身売買や臓器売買がテーマとなっていた。あくまで「フィクション」ということで、どこまで実態を正確に反映したものかという議…
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日本軍「慰安婦」問題への一視座ーー山下英愛『ナショナリズムの狭間から』

山下英愛『ナショナリズムの狭間からーー「慰安婦」問題へのもう一つの視座』、明石書店、2008年  本書は、日本軍による「慰安婦」問題についての総体的な考察の書であるが、歴史的な知見においてはとくに目新しいものはない。しかし、貴重な視座を提供している。特徴的なのは以下の点だ。 ◆「日本人」と「朝鮮人」を両親にもつ著者が、自…
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「慰安婦」問題と「私たちの責任」について多角的に再考するーー論集『歴史と責任』(金富子・中野敏男)

金富子/中野敏男【編著】、『歴史と責任ーー「慰安婦」問題と一九九〇年代』、青弓社、2008年  日本軍による「慰安婦」問題は、いったい何を現代社会に問うているのでしょうか。  冷戦イデオロギーや、払拭しきれない男性中心主義などによって、封印・黙殺されてきた「慰安婦」の存在が、ようやく公然と語られるようになった1990年代…
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パレスチナ人女性政治犯から考える「占領・ジェンダー・人権」ーー『Women in Struggle』

『Women in Struggleーーパレスチナ 占領・ジェンダー・人権を考える』(WiSEC、2008年)  この本は、ブサイナ・ホーリー監督のドキュメンタリー映画『Women in Struggleーー目線』(パレスチナ、2004年、56分)という映画の全国上映・監督講演会をきっかけに、京都の上映・講演会を主催した岡…
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