テーマ:韓国・朝鮮

徐京植『植民地主義の暴力ーー「ことばの檻」から』(高文研)とトークセッション

徐京植『植民地主義の暴力ーー「ことばの檻」から』高文研、2010年  徐京植さんの最新論文集。  目次詳細は、高文研のサイトに。  冒頭に、日本の植民地主義を直接的に論じた二本。とくに、「和解という名の暴力──朴裕河『和解のために』批判」は、僕も関わってきた和解論批判のなかで、現時点での集大成的な論考。僕にとっては…
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日韓・在日の戦後思想をカバーする壮大な見取り図、そして和解論批判ーー尹健次『思想体験の交錯』

尹健次『思想体験の交錯――日本・韓国・在日 1945年以後』、岩波書店、2008年  年表・索引まで含めて500頁の大作ではあるが、文体・分析が明快で読みやすく、通読するのは難しくなかった。  すなわち、日本・韓国・在日朝鮮人にまたがる複雑な戦後思想史に対して、「見取り図」を与えるような書物である。 【もくじ】…
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ディアスポラ小説、黄ソギョン『パリデギーー脱北少女の物語』(青柳優子訳、岩波書店)

黄ソギョン『パリデギーー脱北少女の物語』(青柳優子訳、岩波書店、2009年)  前回紹介した金起林を訳した青柳優子氏による翻訳である本書は、やはり植民地問題に深く根ざす現代作家・黄ソギョン氏の小説である。  著者自身、満州の新京生まれで、日本の敗戦後に母方の故郷の平壌に移住。さらに南北分断の直前47年にソウルに移住。作家…
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植民地期~分断独立期の朝鮮近代文学、金起林『朝鮮文学の知性 金起林』(青柳優子編訳)

金起林(著)/青柳優子(編訳・解説) 『朝鮮文学の知性 金起林』(新幹社、2009年)  約100年前の1908年に朝鮮生まれ、植民地時代に日本でも7年過ごした作家・詩人・批評家、金起林の初の日本語著作集。画期的訳業です!  1926~29年(18~21歳)に東京・日本大学、36~39年(28~31歳)に仙台・東北大学…
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【コリアン・ディアスポラ関係の11冊】――ブックリスト・2/7

【コリアン・ディアスポラ関係の11冊】/「ディアスポラ」から世界を読み直すためのブックリスト・増補改訂の77冊  ディアスポラ・ブックリスト50、あらため増補改訂の77冊(7×11)の第二回は、【コリアン・ディアスポラ関係の11冊】です。当初、日本、中国なども含めて、「東アジア」の括りにしていたのですが、それではあまりに冊…
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高齢の在日コリアン女性一世への生活史聞き取りの記録、『在日コリアン女性20人の軌跡』

かわさきのハルモニ・ハラボジと結ぶ2000人ネットワーク 生活史聞き書き・編集委員会(編)『在日コリアン女性20人の軌跡――国境を越え、私はこうして生きてきた』(明石書店、2009年)  工業地帯である川崎市の、つまり戦時中から多くの朝鮮人が労働に徴用された地域の在日朝鮮人の一世の女性たち、つまりもう80~90歳ぐらいの方…
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山形国際ドキュメンタリー映画祭で、テレサ・ハッキョン・チャの映像特集/『ディクテ』と『異郷の身体』

◆テレサ・ハッキョン・チャ『ディクテーー韓国系アメリカ人女性アーティストによる自伝的エクリチュール』、池内靖子訳、青土社、2003年 ◆池内靖子/西成彦(編)『異郷の身体ーーテレサ・ハッキョン・チャをめぐって』、人文書院、2006年  明日から山形国際ドキュメンタリー映画祭が開催されます。とくに今回楽しみなのは、特集「シ…
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東アジアの「コロニアル文学」の画期的翻訳――崔真碩訳『李箱作品集成』

李箱・著、崔真碩・翻訳、『李箱作品集成』、作品社、2006年  『残傷の音』に「影の東アジア――沖縄、台湾、そして朝鮮」、そして『異郷の日本語』に「「ことばの呪縛」と闘う――翻訳、芝居、そして文学」という貴重な文章を寄せている崔真碩さんによる労作翻訳業。  日本の植民地支配下にあった朝鮮・京城に生まれ育ち、晩年に宗主…
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今週末、宋安鍾『在日音楽の100年』(青土社)刊行記念シンポと盧佳世ミニ・コンサート

宋安鍾『在日音楽の100年』(青土社、2009年)  予告していましたイベント、今週末土曜日に迫りました! 宋安鍾さんの『在日音楽の100年』(青土社、2009年)の刊行を記念して、公開のシンポジウムと、それから同書でも触れられている盧佳世さんのミニ・コンサート。案内を再掲します。ぜひご参加を! 宋安鍾『在日音楽の1…
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宋安鍾『在日音楽の100年』(青土社)刊行記念シンポと盧佳世ミニ・コンサート

宋安鍾『在日音楽の100年』(青土社、2009年)  以前に紹介しました、宋安鍾さんの『在日音楽の100年』(青土社、2009年)の刊行を記念して、公開のシンポジウムと、それから同書でも触れられている盧佳世さんのミニ・コンサートを開催します。  ぜひご参加を! 宋安鍾『在日音楽の100年』(青土社)刊行記念合評会 …
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「日本」の芸能史を根底から塗りかえる重要な研究!――宋安鍾『在日音楽の100年』(青土社)

宋安鍾『在日音楽の100年』(青土社、2009年)  今年のはじめに刊行された一冊で、日本と朝鮮半島との一世紀にわたる関係史を、芸能史と人物史の観点から掘り下げ描き直す力業。正直、圧倒されました。  近年の韓流ブームなどもあり、韓国の歌手や俳優がどんどん日本に入ってきて、新しい世代の文化交流だとか未来志向だとか語られます…
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ソウル、研究空間スユ+ノモにて「人文学にとって現場とは何か?」――金友子(編訳)『歩きながら問う』

金友子(編訳)、『歩きながら問う――研究空間〈スユ+ノモ〉の実践』、インパクト出版会、2008年  来週、東大UTCPのワークショップ企画で、ソウルに。  直接自分が関わるのは、延世大学での企画、「政治的思考の地平」だが、その前日、研究空間〈スユ+ノモ〉でのワークショプ「人文学にとって現場とは何か?」にも参加する。 …
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文学者として、日本人として、こだわりつづけた「民族問題」――鈴木道彦『越境の時』

鈴木道彦『越境の時――一九六〇年代と在日』(集英社新書、2007年)  昨年の刊行で、一部にはものすごく話題になった。僕もそのときにすぐに買って読んだ。  最近、ここで提起されている思想的課題に真っ正面から取り組もうという友人がいて、再読。それにしても、圧巻だ。  思想的課題というのは、「民族」というものをどのよう…
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「私」と「他者」から「社会」へ――金泰明『欲望としての他者救済』(NHKブックス、2008年)

金泰明『欲望としての他者救済』(NHKブックス、2008年)  本書は、誰もが経験する身近な出来事から、「私」と「他者」との相互関係的な存在様式について哲学的考察まで高め、かつ「市民社会」論の入り口まで議論を進めている。  誰もが経験する出来事とは、たとえばこういうことだ。困っている人を見たときに、とっさに助けなければと…
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日本軍「慰安婦」問題への一視座ーー山下英愛『ナショナリズムの狭間から』

山下英愛『ナショナリズムの狭間からーー「慰安婦」問題へのもう一つの視座』、明石書店、2008年  本書は、日本軍による「慰安婦」問題についての総体的な考察の書であるが、歴史的な知見においてはとくに目新しいものはない。しかし、貴重な視座を提供している。特徴的なのは以下の点だ。 ◆「日本人」と「朝鮮人」を両親にもつ著者が、自…
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「不法占拠」地区から読み直す日本の近現代ーー金菱清『生きられた法の社会学』

金菱清『生きられた法の社会学ーー伊丹空港「不法占拠」はなぜ補償されたのか』(新曜社、2008年)  この本は、京都の洛北出版さんのブログ「+Message from...」に掲載された紹介記事で知りました。  フィールドは、大阪伊丹空港の土地の一角を、在日朝鮮人が国有地を「不法占拠」しているとされる地区。著者は、学生…
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植民地主義の二重性:包摂と排除の典型としてーー水野直樹『創氏改名』

水野直樹『創氏改名ーー日本の朝鮮支配の中で』岩波新書、2008年  以前に取り上げた、梶山季之「族譜」(『族譜・李朝残影』岩波現代文庫)の背景となる「創氏改名」をあますところなく解説。新書ということもあり(実際には新書の水準を超えた内容となっていますが)、この問題を知るうえでの基本文献だと思います。  強制的だったのか自…
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人道支援という名のもとの民族浄化ーーテッサ・モーリス=スズキ『北朝鮮へのエクソダス』

テッサ・モーリス=スズキ『北朝鮮へのエクソダスーー「帰国事業」の影をたどる』田代泰子訳、朝日新聞社、2007年  いわゆる在日朝鮮人の北朝鮮への「帰国事業」の真相に迫る本です。帰国事業は、「楽園」への移住と謳われ、日本政府や赤十字などによって政策的に推進された「人道的措置」でした。  しかし、私の年配の在日朝鮮人の友人で…
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徐京植さん、仙台での市民との対話

徐京植『秤にかけてはならないーー日朝問題を考える座標軸』影書房、2003年  本書の直接的な表題は、北朝鮮によるいわゆる「拉致」問題が公的に政治課題となった、02年9月17日の小泉訪朝以降の日本における言論状況を課題としています。とりわけ、日本人拉致を植民地時代における朝鮮人の強制連行と並べて、戦争責任・戦後責任を相殺して…
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二重三重のディアスポラ――在日コリアンの枠に収まらない多言語小説『キムチ』

ウーク・チャング『キムチ』(岩津航訳、青土社、2007年)  作者は日本生まれの朝鮮人、いわゆる「在日」として生まれるが、幼くして家族でカナダのケベック州に移住。のちに日本の大学に二年間ほど留学をしている。(元)在日コリアンであるとはいえ、日本語も韓国語も不自由であり、別の二重言語圏であるケベック州に育ったことから、第…
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植民地下での創氏改名――梶山季之『族譜・李朝残影』

梶山季之(著)、『族譜・李朝残影』(岩波現代文庫、2007年)  表題作「族譜」は、植民地下朝鮮で、日本が強いた創氏改名を舞台にした歴史小説。 「自発的行為」だとか「恩恵/権利」だと謳われた創氏改名を、実際のところ個々の家庭を訪問して強要する役割を担った小役人の目から見た矛盾を描く。創氏改名の「達成率」の低さを上…
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