丸川哲史『魯迅と毛沢東ーー中国革命とモダニティ』以文社

丸川哲史『魯迅と毛沢東ーー中国革命とモダニティ』以文社、2010年

画像


 今年度、すさまじい勢いで仕事を世に問うている丸川氏。先に『台湾ナショナリズム』(選書メチエ)を出したばかりですが、すでに今年は、『ポスト〈改革開放〉の中国』(作品社)『竹内好』(河出ブックス)を出し、他にも編訳書も。驚異的です。

 それにしても、つねに既存の貧困なアカデミズムを批判し挑発する丸川氏。縦割り・タコツボの「専門家」にはぜったいにできない挑戦作です。先に「あとがき」の一部を引用してから、目次を掲載します。

【あとがき】より
中国革命を論じようとするなら、どうしても毛沢東は避けられないはずなのだ。ところが、日本の中国研究者においては、既に「避ける」ことが常態となっている。しかしもう「避ける」ことは不自然ではないか、と私は判断した。だから本書は、申し訳ないのだが、一つの意図的なイヤガラセであるかもしれない。良心的に中国を論じようとするなら、魯迅は最高の文化資源であり、カードである。しかし、その魯迅はやはり毛沢東とともに語らねば意味がない、それが本書のネライであった。だからむしろ、いわゆる玄人筋にイヤガラセを感じさせなかったとしたら、私の負けである。私は専門家に批判されることを望んでいるが、恐らくそれも叶わないかもしれない。本書は、むしろ専門家以外の方々に読まれてほしい。「××の壁」という言い方があるが、現代中国研究ほど専門家とその外と言われているところで壁が硬い領域はないように見える。私の目論見としても、その壁を緩くすることが念頭に置かれている。(305-306頁)


【目次】
序章 なぜ今、魯迅そして毛沢東なのか? 二人を同時に扱うこと
1.中国モダニティの基点 一九一九年「五・四運動」を中心に
2.モダニティの分裂、クニの分裂 一九二七年「反共クーデタ」を中心に
3.反転する闇 一九三六年「長征」終了と魯迅の死
4.思想「改造」という踏み台 一九四二年「文芸講話」を中心に
5.中国プロレタリア文化大革命を再考する
6.地獄を思い出すこと 中国における魯迅、毛沢東読解
7.自分の肉を煮るために 日本における魯迅読解
終章. 魯迅のプロレタリア像



魯迅と毛沢東 中国革命とモダニティ
以文社
丸川 哲史

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る