フレドリクソン『人種主義の歴史』(李孝徳訳、みすず書房)と、その書評

ジョージ・M・フレドリクソン『人種主義の歴史』(李孝徳訳、みすず書房、2009年)

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 ヨーロッパのユダヤ教徒の人種化、植民地主義とともに生じた「黒人奴隷」、そしてナチスのホロコーストと、南アのアパルトヘイト。これらをレイシズムのイデオロギーとして、体系的に説明した好著。おそらく、文庫クセジュの『人種差別』(フランソワ・ド・フォンテット著、高演義訳、1989年)をしのぐ、人種主義に関するテキストのスタンダード。

 ただし訳者、李孝徳氏もあとがきで指摘するように、難点も。レイシズムを真正西欧イデオロギーと規定するため、それ以外の差別は、真のレイシズムには入らないという。これは反転した西欧中心主義、つまりはオリエンタリズムではないのか。日本の近代植民地史も戦後も続く在日朝鮮人差別も、レイシズムの範疇外にされてしまう。さらには、イスラエルの反アラブ主義も。

 図書新聞5月22日号に、内容紹介および上記の問題点も含めて、書評を書きました。こちらもぜひ合わせてお読みください。

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人種主義の歴史
みすず書房
ジョージ・M・フレドリクソン

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