ユダヤ人、ホロコースト、イスラエル、、、『プリーモ・レーヴィは語る』

マルコ・ベルポリーティ編『プリーモ・レーヴィは語る――言葉・記憶・希望』多木陽介訳、青土社、2002年

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 最近、サラ・ロイの『ホロコーストからガザへ』の重版が出たので、重版にあたって文章をチェックしながら再読。そこでロイと対談をしている徐さんが論及していた、プリーモ・レーヴィ最後のインタヴューが収録されているのがこれ。
 1、人生、2、文学、3、ラーゲル、4、ヘブライ主義、の四部に分かれて整理されている。が、そのどれもが密接につながっているので、あくまで便宜的なものだ。「最後のインタヴュー」というのは、3の「ラーゲル」の最後に掲載されているが、文学にもヘブライ主義にも深く関わる内容であり、つまりは「人生」にも関わるものだ。

 4の「ヘブライ主義」のところには、「ユダヤ人問題」や「これが国家であるのか」といったインタヴューが収められており、レーヴィにおいては、ユダヤ人であることと、ユダヤ教と、国家との関係について率直に述べている。もちろん国家というのは、レーヴィがディアスポラのユダヤ人として住んでいるイタリアなどと、ディアスポラを否定しているイスラエルとがある。
 レーヴィは第一にはディアスポラ主義ではある。イスラエルがユダヤ人の中心となっている状況に対して批判的だ。
 だが、インタヴューの一部には、イスラエルが西岸とガザの占領をやめて、小さなイスラエルになれば、パレスチナ問題は解決だ、と話している箇所がある。つまり、ユダヤ人国家そのものについては否定はしていない、という微妙さも残しているとも言える。もちろん基本的にはディアスポラ主義者ではあるのだけれども。

 ともあれ、サラ・ロイを読む機会に、こちらも手にすると、ホロコーストのことからイスラエルのことまで、いろいろ示唆を得るところ大である。

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