『世界』1月号にサラ・ロイ氏のインタヴュー記事ーー「ガザが語る「虚構」の和平」

サラ・ロイ(インタヴュー/構成=小田切拓)
「ガザが語る「虚構」の和平」(『世界』2010年1月号)


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 先日案内をだした、サラ・ロイ『ホロコーストからガザへ――パレスチナの政治経済学』(岡真理、小田切拓、早尾貴紀=編訳、青土社)の第一部第三章「「対テロ戦争」と二つの回廊」と相補的な内容をなす重要インタヴュー。書籍の共編訳者であり、同章の執筆者である小田切拓さんによるインタヴュー・構成・翻訳です。
 書籍の刊行と、掲載誌の刊行がほぼ同時になりましたので、ぜひごいっしょにお読みください。

 このインタヴューでは、とくに1993年のオスロ「和平」合意がいったいどのような本質をもつもので、それがいかに必然的にこのガザの窮状を生み出し、そしてイスラエルのパレスチナ占領政策を決定づけたのかを、鋭く深く抉っています。
 インタヴューアーの小田切さんの補足も重要であり、たんなる聞き手以上の重要な役割を果たしています。

 「ガザ攻撃」から1年。表面的には派手な動きが見えず、メディアの報道も激減したため、いまパレスチナ/イスラエルがどうなっているのかは、きわめて分かりにくくなっています。そのときこそジャーナリストは何をどう伝えるのかが問われてくるのだと思います。
 現地取材に入って現場の様子を伝えることも意味のあることかもしれません。しかし明らかにそれでは不十分です。明らかに旧来のジャーナリストは(大手メディアの記者であれフリーランスであれ)、分析力を欠いています。
 3年程度で赴任地を転々とする大手の記者は構造的に仕方がないとして、パレスチナを主なフィールドとするフリーランスのジャーナリストは世代交代の時期でしょう。ただし、次の世代のなかで、「鋭さ」のある人は誰か。それを考えるとき、まずは小田切さんぐらいしか、いま耳を傾けるべき洞察をしている人は日本ではいないのではないでしょうか。

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 『世界』1月号の特集は、「韓国併合100年」。
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