〈9・11〉から8年を期にもう一冊、ジルベール・アシュカル『中東の永続的動乱』つげ書房新社

ジルベール・アシュカル『中東の永続的動乱――イスラム原理主義、パレスチナ民族自決、湾岸・イラク戦争』、岩田敏行(編)、つげ書房新社、2008年

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 レバノン出身の国際政治学者、ジルベール・アシュカルの時事評論集。
 2004年には『野蛮の衝突――なぜ21世紀は、戦争とテロリズムの時代になったのか?』(作品社)も翻訳刊行され、注目を浴びた。
 本書はその著者が、古いのだと1987年から最近のでは2007年までのあいだに行なった、時事的な評論を編集したものだ。内容は、副題のとおりの3部構成。
 第1部 イスラム原理主義とは何か
 第2部 パレスチナとレバノン
 第3部 イラク――血と石油

 興味深いのは、やはり長期間の発言を拾っているところ。たとえばパレスチナ関係では、第一次インティファーダ(1987~)を受けて書かれたもの、またオスロ和平合意(1993)の前後に書かれたものが含まれているし、イラク関係では、第一次湾岸戦争(1990-91)当時から書かれたものが収録されている。
 著者がブレなく、その要所要所において、積極的に重要な発言を重ねてきたことがわかる。時事的発言でありながらも、分析的にはいま読むに値するもの。そして過去から現在を見通すための材料を提供してくれるもの。

 また著者は、レバノン内戦を体験した後に、フランスに移住、さらにいまはロンドンで教鞭をとっているという。中東と西欧の両方を熟知していることも強みだ。

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