雑誌『オルタ』09年7-8月号:特集「北欧神話?――グローバリゼーションと福祉国家」

『オルタ』09年7-8月号:特集「北欧神話?――グローバリゼーションと福祉国家」

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 先の「子どもの貧困」についての記事の冒頭で言及した、教育費の公的負担割合について。最低の日本の反対で、公的支出割合の高いのが、1位アイスランド、2位、デンマーク、3位スウェーデンだそうだ。医療や教育などが手厚い北欧福祉国家のイメージどおりかもしれないけれども、はたして現実の北欧諸国はどうなっているのか。
 『オルタ』最新号が、珍しい「北欧特集」を組んだ。

【巻頭言】
 雇用・教育・医療・介護・年金など、広範囲での社会的貧困が問題となるなか、“格差なき成長”を進めた「北欧モデル」が注目を浴びている。高負担と高福祉、国家による再分配を原動力とする北欧は、積極的な労働・経済政策の展開により、市場原理を福祉国家の内部にうまく吸収してきた。
 また、高度な民主主義、男女平等、人道問題への取組みに対する高評価も定着する一方、他のEU諸国同様、域外からの移住労働者受入れを厳格に制限している。ヒト・モノ・カネ・サービスが自由に移動するグローバル化時代において、「北欧モデル」はいかなる意味で教訓たり得るのか。内実に迫りながら、国家と社会のありようを考える。
【目次】
* 対談 市野川容孝×小川有美
* 「北欧モデル」の成り立ちと現在 渡辺博明
* 「北欧家具」の真実!?─イケアを襲うスキャンダル 川上豊幸
* クリスチャニアと福祉国家の危機 毛利嘉孝
* 「北極」から見る北欧 岡本健志
* 「社会」のための政治─討議民主主義の実践 佐藤吉宗
* スウェーデンの「男女平等」神話を検証する 榊原裕美
* 福祉国家と移民─スウェーデンの経験から 小池克憲
* “社会主義国”スウェーデンの恐怖? 佐藤吉宗


 いま総選挙後の日本で、各党が福祉や教育への支出について議論している現在、タイムリーな企画だと思う。ぜひ手に取られたい。
 なお、特集外では、中国新彊ウイグル自治区での大規模な紛争について、丸川哲史氏が特別寄稿。
 「沖縄・見たことのない映像」の東琢磨さんの連載分が最終回。
などなど。

 購入・定期購読については、アジア太平洋資料センター(PARC)の『オルタ』のページへ。

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