民主党が戸籍廃止を検討?!――佐藤文明『戸籍って何だ』ぐらいは読みましょう

佐藤文明『戸籍って何だ――差別をつくりだすもの』、緑風出版、2002年

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 昨日の日経のニュースによると、民主党の議員有志が、個人単位の登録制度をつくるために、戸籍制度の廃止を含めた制度の見直しを考える議員連盟を発足させるという(30人程度)。
 この議員らが「個人単位の登録」によって何を目指しているのかなど、もう少し深いところはわからないが、しかしともあれ、戸籍制度の「廃止!」まで具体的に視野に入れた国会議員の動きが出てきたことは、たいへんに画期的だし期待をしたい。

 これまでもこのサイトで関連する問題として以下の書籍を紹介してきた。
坂本洋子『法に退けられる子どもたち』(岩波ブックレット)
毎日新聞社会部『離婚後300日問題 無戸籍児を救え!』(明石書店)
川村千鶴子他(編)『移民政策へのアプローチ』(明石書店)
 (上記書籍で早尾は「国籍と戸籍を考える」という文章を書いた。)

 戸籍制度は、明治国家からの「日本国民」の定義にも関わり、生成変化してきた妖怪のようなものだ。不合理きわまりなく、アイヌ、沖縄、アメラジアン、非嫡出子、その他その他のマイノリティを差別してきた制度であり、もちろんいまも戸籍制度が残っているかぎりは、その差別がなくなったわけではない。
 戸籍は住民登録の制度ではない。それは住民票で事足りる。実際、生まれた場所でもなければ、一度も行ったことのない場所に戸籍がある人も少なくないだろう。
 戸籍は日本以外には存在しない。中国語由来の「戸籍」ではあるが、中国では文字どおり門戸一つあたり、つまり一軒の住居あたりの住人登録を意味した。
 戸籍は、ただただ血統主義、天皇制、家父長制、といった近代日本国家の排他的かつ差別的なイデオロギーを保管する道具だ。

 という本質的なことを、長く啓発してきたのが佐藤文明氏の諸著作だ。
 なかでも、『プロブレムQ&A 戸籍って何だ』は、なかでももっとも基本的で懇切丁寧にさまざまな疑問に答えてくれる一冊だ。
 きっと民主党の議員連盟「戸籍法を考える議員連盟(仮称)」の方々もみなすでに読んでいることと思う。そして、全国会議員が読むべき基本文献だ。
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プロブレムQ&A 戸籍って何だ―差別をつくりだすもの
緑風出版
佐藤 文明

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