マックス・ヴェーバー最晩年の著名な二講演、日経BPから合本新訳で刊行

マックス・ウェーバー、『職業としての政治 職業としての学問』、中山元訳、日経BPクラシックス、2009年

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 すでに岩波文庫でもおなじみの古典、マックス・ヴェーバー最晩年の二つの講演の新訳。
 いずれも、亡くなる1920年の前年の19年に刊行されたものだが、「職業としての学問」は17年にすでにもととなる講演がなされている。「職業としての政治」は19年。

 すでによく知られたヴェーバーの「責任倫理」に関する議論なので、とくだんここで紹介しなくてもいいような気もするけれども、それでもあえて取り上げるポイントとしては。

1、前に取り上げたローゼンツヴァイクの『救済の星』と同じ年代に書かれていること。『救済の星』の裏表紙の紹介文にこうあった。
「第一次世界大戦につづく10年の間に、ドイツを中心に、その後の時代に多大な影響を与えることとなる本が続々と刊行された。シュペングラー『西欧の没落』、…ルカーチ『歴史と階級意識』、ハイデガー『存在と時間』。…そこに共通しているのは、西欧近代への絶望と徹底した批判精神…」
そこにローゼンツヴァイクも加わるというわけだ。
 それなら、このヴェーバーの二講演も同時代のものとして注目したい。
 ドイツの対戦敗北と革命と帝政崩壊。ヴェーバーの語ろうとしたことは、このタイミングを外して考えるわけにはいかない。たんなるヴェーバーの入門書ということではなく、時代の精神史を考えさせる一書だ。

2、もちろん、新訳で読みやすくて、しかも二講演が一冊になっており(岩波文庫では別々になっている)、しかもそれが、「日経BP」つまり日本経済新聞社系列の出版物として刊行されたこと。あきらかに読者層は広がるだろう。貴重な試みだと思う。

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職業としての政治 職業としての学問 (日経BPクラシックス)
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