それでオバマ大統領は何を変えるのか?――『現代思想』3月号とチョムスキー記事の翻訳

『現代思想』2009年3月号特集「オバマは何を変えるか――新-新世界秩序」

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 ということで、前の記事で伝えましたように、ベネズエラのチャベス大統領がアメリカ合衆国のオバマ大統領に、ガレアーノ『収奪された大地』を贈ったとのこと。これを読んでオバマ氏はどう変わることができるのでしょうか? そもそも、これまでの読書遍歴にフランツ・ファノンやデュボイスなどもあったというオバマ氏。チャベス氏の進呈本の意味も分かるはず。
 しかし、わかっていてなお、この政策ということは、やはり何も期待できないということなのか。

 少し紹介が遅くなってしまいましたが、『現代思想』3月号で「オバマは何を変えるか」特集のときに、ノーム・チョムスキーによる、オバマ大統領の中東政策批判の記事を翻訳掲載しました。「オバマのイスラエル-パレスチナ問題」と題したもので、訳注と解説もつけましたが、さほど長いものではありませんので、お読みください。
 要するに、オバマ氏の、とくに手厚いイスラエル支援政策に関しては、まったく「変化」が認められず、パレスチナ問題に関して、新大統領に期待できるものはまったくない、というものです。イスラエルへの一方的な支持と、パレスチナへの無知・偏見は、旧政権を引き継いだだけ。残念なことです。
 関連して、板垣雄三氏の文章も入っています。
 その他、多様な視点から、オバマ大統領の登場に関連した問題が論じられており、就任直後の雑誌特集としては、もっとも充実したものと言えると思います。

 以下もくじ。

特集=オバマは何を変えるか 新‐新世界秩序

◆オバマ大統領就任演説 / (訳=荒このみ)
◆決定的な年 / 姜尚中
◆まがいものの夢――アメリカニズムとは何か / 西谷修+土佐弘之

◆リンカーンの聖書とアメリカン・イデオロギー / 荒このみ
◆勝利の代償 オバマ政権と、「新しい周期(サイクル)」 / 木下ちがや

◆世界の未来を透視する / 板垣雄三
◆オバマのイスラエル‐パレスチナ問題 / ノーム・チョムスキー(訳=早尾貴紀)
◆パキスタンに進行するアメリカの戦争 / タリク・アリ (訳=鵜飼健史)

◆環境・国家・資本主義――グリーン・ニューディールの行方 / 萱野稔人+諸富徹
◆アメリカ新自由主義の現在 / 平野健
◆経済危機下のアメリカ経済とその行方 / 増田正人

◆オバマはソフト・パワーの回帰を仕切れるか / ジョセフ・S・ナイ Jr.(訳=長原豊)
◆大統領の贈り物(ファルマコン) / 長原豊

◆グルジア紛争後の中央ユーラシアとロシア / 宇山智彦
◆中国の予測は如何に可能か? / 丸川哲史

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