鹿野政直と沖縄史――『けーし風(かじ)』第60号「歴史を語る磁場」

『新沖縄フォーラム けーし風(かじ) 第60号』2008年9月:特集「歴史を語る磁場」

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 特集は、歴史学。
 なかでも、鹿野政直氏の長時間インタヴューは圧倒的。若い沖縄研究者の我部聖氏と戸邉秀明氏による質問、ツッコミ、フォローも考えさせられるところ大です。
 これは、鹿野氏の『戦後沖縄の思想像』と『沖縄の淵――伊波普猷とその時代』の二冊を中心にした、『鹿野政直思想史論集』第3・4巻(岩波書店)が刊行されたことをきっかけにした、沖縄史学の全体を批判的に振り返るインタヴューです。本土/ヤマトの思想史家として、鹿野氏は、沖縄にいかに向き合うのかという倫理的次元でつねに苦悩しながら、丁寧に歴史と思想をひもといてきました。僕も上記二冊の単行本には、学生時代に大きな刺激を受けました。
 その鹿野氏が、ご自身の思想形成を若い研究者を前に、赤裸々に語っています。とくに、先達から現在にいたる沖縄の研究者らから受けた恩恵・批判・影響・感想について、具体的な名前と書籍を挙げて論じているところは、ひじょうに勉強になりました。

 また、屋嘉比収氏の「沖縄を叙述する、ということ」も、同じく『鹿野政直思想史論集』第3・4巻の書評的エッセイです。

 他に、孫歌「早咲きの真理――北海道で沖縄を眺めること」や、輿石正「ドキュメンタリー映画『未決・沖縄戦』の制作・上映」、親川志奈子「他者と共有する歴史――『島クトゥバで語る戦世』」、などなど。
 

 なお、同誌前号『けーし風 第59号』特集「沖縄の18歳に伝えたいオキナワ」はこちら

 また、『けーし風』は、本土の一般書店では入手できません。ネット書店 BOOKS Mangroove でお買い求めください。

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