書評専門誌で早尾貴紀『ユダヤとイスラエルのあいだ』をとりあげていただきました

 書評専門誌2つ、『週刊読書人』および『図書新聞』で早尾貴紀『ユダヤとイスラエルのあいだーー民族/国民のアポリア』(青土社、2008年)を取り上げていただきました。

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 週刊読書人(08年6月20日号)では、合田正人氏が、『イラン・パペ、パレスチナを語る』(柘植書房新社、2008年)とあわせて書評をしてくださいました。私自身にとっても、執筆と編訳を並行させており、内容的にもひじょうに関連の深い二冊です。合田氏が二冊を関連させながら扱ってくださったのは、ありがたいことでした。(書評のタイトルは、「状況論的どっかと理論的考察との困難な接合ーーいくつかの疑問も」。)
 図書新聞(08年7月5日号)では、奥山眞知氏が、拙著を読解整理するような綿密な書評をしてくださいました。丁寧に読んでいただいているということが伝わり、たいへんにありがたいものでした。(書評のタイトルは、「 シオニズムの悪夢から覚醒する可能性を探る試み──「国民国家」をめぐる本質的で根源的な問題を問う」。)

 さらに、週刊読書人(08年7月25日号)の「2008年上半期の収穫から」の特集で、細見和之氏と熊野純彦氏に取り上げていただきました。細見氏は、『インパクション』での書評に続いて二度目でした。また、熊野氏については、直接面識があり、彼がいかに若手研究者に気配りをされるひとであるかは知っていましたので、今回は気遣いをいただいたなぁと思います。
 また、図書新聞(08年8月2日号)の「2008年上半期読書アンケート」では、四方田犬彦さんに取り上げていただきました。四方田さんにも、『新潮』に続いて二度目。

 ともあれ、以前一度書評をまとめて紹介して以降、今度の書評誌での扱いで、およそ出尽くしたように思われます。これだけ多くの書評にめぐまれるのも、めったにないことだと思います。みなさんには感謝、感謝です。

  *  *  *

 さて、そうしたなかでも、週刊読書人の合田正人氏の書評には、格別の感謝をしたいと思います。おそらくたくさんいただいた書評のなかで、もっとも辛口のものですが、今後への期待も含めて、多くの課題も具体的に提示していただきました。
 もちろん私自身、拙著が完全どころではない、まだまだ未熟な思考の軌跡でしかないことは重々承知していますので、批判や疑問や反論に晒されることは当然のことであると考えています。なので、辛口コメントはむしろ嬉しいぐらいでした。しかも、直接面識のない合田氏から、紙上で「応答を待ちたい」とまで言っていただいたことは、ほんとうにありがたいことでした。
 できうれば、この場を使って、少しでも応答をしていきたいとは思っています。今後も少しずつですが、拙著に対するコメントに対しては、ここでレスを公開していければ、少しでも議論が継続されると考えています。
 ただ、あらかじめ言っておくと、合田氏からいただいた異論や要望は、ひじょうに大きな問いであるため、簡潔に即答できるようなものではありません。おそらく僕が5年後・10年後に、もう一冊書くことでようやく応答になりうる、それぐらいの大きな課題を示していただきました。むしろ、過大な期待ではないかと、プレッシャーも感じています。

 例えば、合田氏からいただいた要望というのはこういうものです。
「いずれ、ラザールの「ディアスポラ的シオニズム」、チョムスキーの言語論と中東論の連関などにも触れて欲しいし、コーエン、ローゼンツヴァイクについても、むしろデリダの解釈を介さない著者自身の見解を知りたく思う。」
 そして、さらに四点の疑問を具体的に記していただいた。第一に、「国民」と「法」との連関について。「国民」を定める「境界線」をめぐるアポリアと「法」との連関について、踏み込んだ議論が求められました。
 第二と第三はここでは省略します。そして第四の問い。
「最後に「ディアスポラ」については早尾の今後を刮目すべきだろが、予め問いかけておくと、トインビーのような歴史家の「ディアスポラ主義」、「ディアスポラ」「コロニー」「カルチャー」の同義性をどう考えるのか、また、『フロイトと非ヨーロッパ人』で刺激的なフロイト論を展開したサイードが「エグザイル」を論じつつ、メルロー=ポンティのいう「壽肉」「根づき」に、ジョイスの多言語的彷徨に注目したのはなぜか。(中略)早尾からの応答を待ち望む次第である。」

 宿題テンコ盛りです。そして、それを具体的に提示してくださった合田氏には最大限の感謝を捧げたいと思います。

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ユダヤとイスラエルのあいだ―民族/国民のアポリア
青土社
早尾 貴紀

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