徐京植さん、仙台での市民との対話

徐京植『秤にかけてはならないーー日朝問題を考える座標軸』影書房、2003年

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 本書の直接的な表題は、北朝鮮によるいわゆる「拉致」問題が公的に政治課題となった、02年9月17日の小泉訪朝以降の日本における言論状況を課題としています。とりわけ、日本人拉致を植民地時代における朝鮮人の強制連行と並べて、戦争責任・戦後責任を相殺してしまおうという風潮を批判している。拉致と強制連行を「秤にかけてはならない」と。それぞれの歴史的、政治的コンテクストを見据え、的確な批判を保持しなければならない、というわけです。
 ただ、僕にとってのこの本は、著者の徐京植さんが仙台を二年続けて訪れたときにおこなわれた、対話集会の記録が全文収録された本です。二度とも、大きめの講演会の講師として呼ばれた徐さんのほうから、「十分な質疑応答の機会もなく、一方的に壇上から話して東京に戻るというのは、せっかくの仙台訪問がもったいない。小さな市民対話の場がもてないだろうか」と提案をいただきました。
 二回とも、それぞれ3~4時間の時間をかけて、丁寧に対話をしました。参加者らは、在日コリアンの一世、二世、三世や、日本人でも高校教員や会社員、学生などさまざま。それぞれ事前に徐さんの本をある程度読んだうえで質問を用意しました。その記録を全文テープ起こししましたので、本書の半分近くをこの対話集会の記録二本が占めています。

・仙台での対話1 断絶を見据えてーー在日朝鮮人と日本人
・仙台での対話2 朝鮮とパレスチナーーあるいは日本とイスラエル

 東京や大阪といった発信の中心地とは異なる地方都市での対話です。
 ぜひお読みください。

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