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zoom RSS 中東を幅広い文脈から見る概説書――酒井啓子『〈中東〉の考え方』講談社現代新書

<<   作成日時 : 2010/06/30 09:00   >>

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酒井啓子『〈中東〉の考え方』、講談社現代新書、2010年

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 イラク専門家として著名な酒井啓子さん。最近、個人的には、ミーダーン編『〈鏡〉としてのパレスチナ』(現代企画室)でごいっしょさせていただきました。そのときも、イラクのユダヤ教徒やクルドなど、幅広い文脈からお話をいただきましたが、今回の新書もすばらしい。
 イラクが専門ながら、今回はあえてイラクにはほとんど焦点を当てず、とくにサウディアラビア、パレスチナ、イラン、そして冷戦/ポスト冷戦の構造変化を軸に、中東の全体像と本質的問題を明晰に提示してくださっています。
 新書サイズで、現代中東の基本的な見方を与えてくれる本書は、入門者にも最適なだけでなく、これまで断片的に知識を持っていた方にもそのパーツを合わせるのに役立ちますし、ひじょうに有用な一冊だと思います。

【目次】
第1章 石油の海に浮かぶ国々
大英帝国の遺産「湾岸首長国」/サウディアラビアの登場/石油の国々

第2章 パレスチナ問題とは何か
中東の人々のアイデンティティーを考える/パレスチナ問題をふりかえる/アメリカはパレスチナ問題にどのように関わってきたか

第3章 冷戦という時代があった
アメリカとソ連の時代/北辺防衛のための国々―トルコ、イラン/アフガニスタン侵攻/メリカの一極集中時代へ

第4章 イランとイスラーム主義―イスラームを掲げる人々
イランで実現した「イスラーム共和制」/「革命」政権の変質/「民主化が進むとイスラーム主義が強まる」のはなぜか?

第5章 メディアとアイデンティティー
アラビア語衛星放送「アルジャジーラ」の影響力/ネット空間/イスラーム銀行とスカーフ


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