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zoom RSS ジャック・デリダのアパルトヘイト批判/マンデラ論――ミーダーン・セミナーに向けて

<<   作成日時 : 2009/02/25 14:00   >>

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『アパルトヘイト否(ノン)! 国際美術展カタログ』、現代企画室、1989年

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 再度、ミーダーン主催のセミナー「ポスト・アパルトヘイトの経験とイスラエル/パレスチナ」の案内を兼ねて。
 前回は、峯陽一氏の本を紹介しましたが、今回は鵜飼さんの側から。とはいえ、鵜飼さんのというよりも、鵜飼さんの訳されたジャック・デリダのアパルトヘイト批判の紹介です。
 『アパルトヘイト否(ノン)! 国際美術展カタログ』(現代企画室、1989年)に収められた「究極の人種差別(最後の人種差別を指す言葉)」。当時世界を巡回していたこの国際美術展のために寄せた文章です。
 デリダは、「最後の(=最悪の/最新の)人種差別」としてのアパルトヘイトが、世界で最後の人種差別になってほしい、もうこれで終わってほしい、と願いつつ、「アパルトヘイト」の言語的分析、ヨーロッパとの関係、あるいはキリスト教神学やユダヤ人差別との関係、などについて論じていきます。
 それにしても、、、つまりは、アパルトヘイトは「最後の人種差別」にはけっしてならなかった(シオニズムやその他のレイシズムがまだまだある)、ということが世界的な現実なわけですよね。それを私たちはどう考え、どう取り組んでいくのか。

 もう一つついでに。『この男 この国――ネルソン・マンデラに捧げられた14のオマージュ』(ユニテ、1989年)に収められた、ジャック・デリダ「ネルソン・マンデラの感嘆――あるいは反省=反射の法則」(増田一夫訳)も、興味深いテクスト。マンデラが、「鏡」の戦略でもって、憲法だ、人権だ、理性だと言ってくるヨーロッパに対して、それを突き返していくのを、周到に分析したテクストです。これも併読してください。。

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◆以下、ミーダーンのサイトより。

連続セミナー・<ナクバ60年を問う>
第五回「ポスト・アパルトヘイトの経験とイスラエル/パレスチナ」

ポスト・アパルトヘイトの経験とイスラエル/パレスチナ

峯陽一(アフリカ地域研究/大阪大学人間科学研究科准教授)
鵜飼哲(フランス文学・思想/一橋大学言語社会研究科教授)

日時■  2月28日(土)
   18時開場・18時15分開始(21時終了予定)
場所■ 文京シビックセンター 区民会議室4階ホール
    (文京区春日1−16− 21)

イスラエルによるアパルトヘイト(人種隔離)政策は、現在ヨルダン川西岸地区を縦横に分断する隔離壁の建設以前から、占領地に、そしてイスラエル国家内部に厳然と存在していた。隔離を支える思想、移民から成る支配者の文化、周辺地域との関係を含め、かつての南アフリカのアパルトヘイトとの共通性をもつ半面、解消へと至る道は南ア以上に困難であろうということが、多くの専門家によって指摘されている。では「ポスト・アパルトヘイト」に向けて、学び得るものは何も残されていないのだろうか。現在の南アにおける歴史教育や「和解」の問題についても参照項としながら、なお可能性を検討する。

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