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マフムード・ダルウィーシュ、『壁に描く』、四方田犬彦訳、書肆山田、2006年 2008年8月9日、パレスチナで最も著名な「抵抗詩人」マフムード・ダルウィーシュが逝去しました。67歳。 ダルウィーシュは、イスラエル建国前のパレスチナの地、ガリラヤ地方の村ビルウェで生まれましたが、この村は48年に破壊され、彼は「国内難民」になりました。つまり、故郷を失ったけれども、建国されたイスラエル内部 にとどまりました。その後ハイファなどを拠点に詩人としての活動を続けました。 パレスチナにおいて、ひいてはアラブ世界において、詩は日本で感じるよりもはるかに身近なものであり、しばしば曲をつけられ、広く人びとに歌われたりします。そして、失われた故郷への想いや、亡命・被占領の理不尽さなどを詠った詩は、生活や政治に密着し、民族運動・抵抗運動の象徴ともなっています。 そうしたなかで、ダルウィーシュは、パレスチナで有名な抵抗詩人の一人に数えられていました。 パレスチナ情報センターの記事「パレスチナの二人の詩人」もご参照ください。 しかし、そうであるがゆえにイスラエル内で弾圧され、活動もままならず、70年代に国外に脱出。エジプト、レバノン、ソ連、フランスと、長い海外生活を経て、オスロ合意後にパレスチナ自治政府のできたヨルダン川西岸地区に「帰還」。もちろん彼が自由に故郷ガリラヤに行くことはできませんでした。 現在日本語で流通している唯一の詩集が、本書です。詩集なのに原語であるアラビア語からの翻訳ではないことなど、難点はありますが、しかしこれしかありませんので、紹介しておきます。 |
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