早尾貴紀:本のことなど

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zoom RSS 『現代思想 特集 隣の外国人ーー異郷に生きる』/ディアスポラ思想の新展開

<<   作成日時 : 2008/05/23 12:52   >>

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 『現代思想』(青土社)の2007年6月号の特集は、「隣の外国人ーー異郷に生きる」です。
 これからいくつか、ディアスポラの思想に関する論集を紹介していきますが、これはその第一弾とも言える画期的な取り組みであったと思います。

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 私が、担当編者と相談しつつ企画に協力しました。友人関係も多く参加しています。
 結果的には、全体として東アジア重視ということになりましたが、ディアスポラの思想の敷衍可能性がかえって示されたように思います。

 鼎談「異郷に生きる」は、若手3人、アンジェロ・イシ+洪貴義+五十嵐泰正によるもので、三者三様の立場から、多くの問題をクロスさせており、この特集全体の射程や意義を浮かび上がらせています。
 陳天璽、金根熙、本山謙二の三氏は、それぞれ横浜、大久保、三ノ輪という特異なローカリティの視点から、人の移動の生み出す文化変容のダイナミクスを魅力的に描き出しています。
 リサ・ロウ論考「人種化された労働」と、拙論(早尾貴紀)偽国民/本来的国民論は、長期スパンの歴史的視点から、人種主義/国民主義の生成を論じています。
 李英美、玄武岩、宋安鍾、金友子、各氏の論考は、植民地時代以降の(つまりポストコロニアル状況下の)、日本と朝鮮半島とのあいだの特異な関係性を、それぞれのテーマと切り口から提示しています。
 その他にも興味深い論考満載です。


◆主な目次◆

【討議】
異郷に生きる アウェイの戦い / アンジェロ・イシ+洪貴義+五十嵐泰正

【街から見る】
危機を機会(チャンス)に変える街 チャイナタウン / 陳天璽
大久保のたどる道 / 金根熙 [聞き手=山本重幸+久場暢子]
下町の 「辺境」 三ノ輪 “界隈” の文化 路地への脱線 / 本山謙二

【トランスナショナル】
在日になったブラジル人のトランスナショナルな模索 / アンジェロ・イシ
フィリピン人は境界線を越える トランスナショナル実践と国家権力の狭間で / 永田貴聖

【歴史】
人種化された労働
 グローバル近代におけるアジア系とアフリカ系のディアスポラ / リサ・ロウ (訳=浜邦彦)
シリャンミン、その望郷と帰郷 難民でない難民・移住民でない移住民として / 李英美
密航・大村収容所・済州島 大阪と済州島をむすぶ 「密航」 のネットワーク / 玄武岩

【分断に抗して】
郊外団地と 「不可能なコミュニティ」 / 森千香子
周辺化対マイナー化 国家の追放と大衆の逃走 / 高秉權 (訳=藤井たけし)

【ディアスポラ】
「偽日本人」 と 「偽ユダヤ人」、そして 「本来的国民」 / 早尾貴紀
「同胞」 という磁場 / 金友子

【ホスト社会の欲望】
「コリア系日本人」 化プロジェクトの位相を探る / 宋安鍾
ディアスポラの子どもたち 移民第二世代のジレンマとホスト社会のまなざし / 山本薫子

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